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1,000万円以上も狙える!AIエンジニアの年収が高い企業や求人例、役立つスキルとは
近年、AI人材はかなりの売り手市場といわれています。経済産業省はAIの導入が進んだ場合、2025年までに34兆円の経済効果があると試算しています。それと同時に人手不足も叫ばれており、2025年には8万人以上、2030年には12万以上に上ると発表されています。
このような背景から、AIエンジニアなどのAI人材は高収入が狙える職種の一つといえます。企業でも積極的に人材の採用を行っており、企業や仕事範囲によっては1,000万円以上を提示する例も増えてきています。
本記事では、AIエンジニアの平均年収や年収の高い企業ランキング、求人例、役立つスキルなどを紹介します。
AIエンジニアとは
AIエンジニアは、人工知能(AI)技術を用いてさまざまな問題を解決する専門家です。データ分析の環境構築・データ前処理・AIモデル開発を行い、ソフトウェアやシステムにAIを落とし込む役割を担います。
統計学や数学、データベースに関するスキルや、Python、機械学習ライブラリ、SQLの利用経験などの技術スキルが求められます。開発環境を構築するスキルやクラウドの知識なども必要になってくるでしょう。
AIエンジニアの仕事内容
AIエンジニアの主な仕事内容は、以下などが挙げられます。
- データ収集と前処理
- データ分析・集計・可視化
- 統計・機械学習モデル及びアルゴリズムの構築、評価
- インフラ環境の設計・構築
AIエンジニアは、データ分析からモデルの構築、評価まで幅広い役割を果たします。これらの仕事内容を遂行するAIエンジニアは、技術的な専門知識と柔軟性を併せ持ち、プロジェクト全体を通して継続的な改善に取り組むことが求められます。
また、常に問題に最適なモデルやアルゴリズムを選定・構築・評価し、モデルを最適化するための改良を行うため、新しい手法やアルゴリズムに敏感で、最新の技術を追い求めるスキルをもつことも重要です。
AIエンジニアの年収
各媒体で公表しているAIエンジニアの平均年収を紹介します。各媒体のAIエンジニアの平均年収の平均値をとると、566.3万円(2023年12月時点)となっており、日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。
求人ボックス
求人ボックスによると、AIエンジニアの平均年収は2023年12月時点で598万円です。ボリュームが多いのは554〜646万円の水準で、全体の給与幅としては372〜1,102万円と広くなっており、勤務先や経験・求められるスキルによって大きな差があるといえるでしょう。
参考:AIエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)| 求人ボックス
job tag
厚生労働省が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、AIエンジニアの平均年収は534.6万円です。
参考:AIエンジニア|厚生労働省 職業情報提供サイト job tag
経験を積むにつれて年収も増加していくことができるでしょう。
過去には年収1億円を提示した例も
ファッション通販サイトZOZOTOWNの運営グループでは、過去にエンジニアとして最高年収1億円の求人募集をしていました。情報工学や計量経済学といった分野で博士号を取得しているなど、高学歴の人が対象ではありますが、スキルに見合った報酬を支払うと公言されていました。
参考:キャリコネニュース「ゾゾタウン運営グループが最高年収1億円で『天才を募集』」
海外のAIエンジニアの平均年収は1,000万円以上、5,000万円もザラ
日本のAIエンジニアの年収は、経験、スキルセット、地域、企業の規模などによって大きく異なりますが、一般的には高水準であることが分かりました。では、海外のAIエンジニアと比較するとどうなのでしょうか。
アメリカの経済誌「Fobes」の記事によると、海外のAIエンジニアの平均年収は1,000〜1,500万円となっており、日本国内と比べて遥かに高い年収であることが分かります。
出典:Fobes「The Best AI Companies To Work For In 2018 Based On Glassdoor」
また、アメリカの大手企業では大学で博士号を取得したばかりの人や、それほどの学歴がなく仕事の経験も数年程度の人であっても、約3,300万~5,500万円あるいはそれ以上の給与と会社の株式を手にすることができるといわれています。
参考:東洋経済ONLINE「年収5000万円もザラ、米AI人材のヤバい報酬」
これは、海外では日本に比べてAIエンジニアの需要が高いことや、エンジニアやプログラマに対する評価の違いが理由として挙げられます。
日本でもDXを推進する企業が増え、人材が不足していることからも徐々にAIエンジニアの需要は高まりつつあるものの、アメリカを筆頭に一部の国では日本よりも格段の速さでAIの研究や普及が進んでいます。
日本ではまだまだAIの普及ないしDX推進のスピードが遅れている状況で、多くの企業ではプログラマやエンジニアに対する評価や報酬が低く、優秀なエンジニアは海外に流れてしまっている傾向も強いです。
AIエンジニアの年収高い企業ランキング
海外に比べると日本はまだ年収が低い傾向にはありますが、その中でも高い年収を提示する企業は多いです。ここでは、AIエンジニアの年収が高い企業TOP20を紹介します。
順位 | 企業名 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | キーエンス | 2,182万円 |
2位 | 野村総合研究所 | 1,232万円 |
3位 | 電通国際情報サービス | 1,057万円 |
4位 | 住友重機械工業 | 928万円 |
5位 | メタリアル | 905万円 |
6位 | オムロン | 878万円 |
7位 | トヨタ自動車 | 857万円 |
8位 | スカラ | 853万円 |
9位 | ディー・エヌ・エー | 850万円 |
10位 | ダイキン工業 | 839万円 |
11位 | 京セラ | 838万円 |
12位 | 大塚商会 | 823万円 |
13位 | 荏原製作所 | 820万円 |
14位 | NEC | 817万円 |
15位 | リコー | 804万円 |
16位 | アイシン | 797万円 |
17位 | フューチャー | 793万円 |
18位 | FRONTEO | 790万円 |
19位 | 楽天グループ | 774万円 |
20位 | アズビル | 773万円 |
出典:SES初心者ナビ「AI・機械学習エンジニア企業ランキング!日本の大手企業50社を一覧で公開」
1位の株式会社キーエンスの平均年収は2,000万円を超え、圧倒的に高い年収を掲げていることが分かります。700万円後半を提示する企業も多く、年収アップを狙いたい方は上記を参考にしてみてください。
高い年収を提示するAIエンジニアの求人例
AIエンジニアの求人では、スキルをお持ちの経験者はもちろん、未経験者でも積極的に採用するケースが増えてきています。この項目では、年収アップや高年収が狙えるAIエンジニアの求人をピックアップして例として紹介します。
求人例1
データ構築支援を行う企業のAIエンジニアの求人です。国内大手企業をはじめとしたお客様に対して、データ分析基盤の上で、AI開発のアルゴリズム検討から運用環境構築までを行います。AI開発における要件定義、PoC実地検証、商用開発など、さまざまなフェーズの業務に携わることができます。
年収は600〜800万円を提示しており、フルリモートも可能です。機械学習などAI関連の研究またはクラウド環境上での開発経験や、PythonまたはC++での開発経験、英語の基礎スキルなどが必須スキルとして挙げられています。
求人例2
オンラインゲームおよび配信するプラットフォーム、IPファン向けサービスの開発・運営・分析などを行う企業の機械学習エンジニアの求人です。機械学習機能開発(主にモデル開発PoC、推論結果の提供)を担当します。技術的裁量を持って機械学習チームの技術選定を行えたり、機械学習機能開発による事業貢献余地が大きい点などがポイントです。
年収は700万円〜1,200万円を提示しており、スキルや経験によって1,000万円以上を狙うことも可能です。機械学習モデル開発の実務経験など、ある程度のスキルや経験が必須要件となっています。
求人例3
未経験歓迎のAIエンジニアの求人です。月間1億レコードを超えるビッグデータを基に、AIシステムの開発を行います。機械学習や数理モデルなどを用いてクライアントのビジネス課題を解決していきます。やりたいと思ったことを実現しやすい環境で、自身のスキルアップがしやすいです。
年収は400万円〜800万円を提示しています。経験値を増やしながらキャリアアップや年収アップを確実に狙うことができます。
AIエンジニアとして年収アップするために役立つスキル、おすすめのスキルアップ方法
この項では、AIエンジニアとして就職や転職を考えている方向けに役立つスキルやおすすめのスキルアップ方法を紹介します。
技術的スキル
・プログラミング言語の習得
PythonやRなど、機械学習やディープラーニングのための主要なプログラミング言語を習得しましょう。
・機械学習とディープラーニング
基本的な機械学習アルゴリズムやディープラーニングのフレームワーク(TensorFlowやPyTorchなど)の理解と実践が求められます。
・データ処理と分析
データを扱うためのスキルも重要です。SQLやデータ処理ツールの使用経験を積み重ねましょう。
・クラウドプラットフォーム
AWSやAzureなど、クラウド上での開発やデプロイ経験があると、企業において高い評価を受ける可能性が高まります。
技術的スキル
・コミュニケーション能力
プロジェクトにおいて他のチームメンバーやクライアントとの円滑なコミュニケーションが不可欠です。自分のアイディアや成果をわかりやすく伝えるスキルを磨きましょう。
・問題解決力
複雑な課題に対する解決力が求められます。柔軟で創造的な発想を大切にし、効果的な解決策を提供できるように努力しましょう。
・プロジェクト管理能力
プロジェクト全体を俯瞰し、計画的に進行させるためのプロジェクト管理スキルも必要です。期限を守り、成果物の品質を維持する能力を高めましょう。
・知的好奇心
急速に進化する技術環境において、新しいアルゴリズムやツールに興味を持つことは、常に最新のトレンドを把握し、自身のスキルを向上させたり、業務上の選択肢の幅を広げるための鍵です。
AIエンジニアとして年収アップするためにおすすめの対策方法
・資格の取得
資格取得は、就職や転職時にアピールできる材料の1つです。特に、専攻分野が違う方や文系の方は基礎知識取得のためだけでなく、「能力の証明」や「学習意欲のアピール」のため、取得しておくことをおすすめします。
おすすめ資格として、G検定やE資格、基本情報技術者試験、統計検定などがあります。
・KaggleやAtCoderに挑戦
機械学習に携わっている人が、機械学習のモデリング力を競い合うプラットフォームです。無料で参加できる上、他のデータサイエンティストが書いたコードが公開されており、学びながら技術を身につけることができます。認知度も高く話題にしやすいかつ、上位に食い込めると履歴書にも書けるため基礎スキルを習得したらぜひ挑戦してみましょう。
・勉強会に参加
毎週開催される実践的AI勉強会「スキルアップAIキャンプ」では、AI・機械学習やデータ分析に関連するテーマを幅広く取り上げているため、自身のスキルアップにつながります。また、G検定やE資格など、試験時期に合わせた試験直前対策や、講師が参加者の皆さんからの質問や悩みに答えるコーナーもあります。無料なので、ぜひ興味のある回に参加してみましょう。
実態を知りたいならまずはエージェントへ相談するのがおすすめ
さまざまな媒体がある中で、どれを選べばいいのか、自分の強みをどう活かしてどうアピールすればいいのか分からない方も多いかもしれません。まずは採用市場の実態を知り、自身のキャリアやスキルを活かして効率的に転職活動したいという方は転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントは企業や求人情報に詳しいだけでなく、企業へのアピール方法などさまざまなノウハウを持っており、転職希望者のキャリアの志向性やこれまでの経験に合わせてアドバイスしたりすることができます
SkillUp AIgentでは、データサイエンティストやAIエンジニア(機械学習エンジニア)などの職種をはじめとした、AI開発・データ分析求人に基づいた転職サポートをしています。例えば、以下のようにキャリアの志向性やこれまでの経験に合わせてお話したりアドバイスしたりすることができます。
- いつ頃転職するのがベストか
- どんな経験を積むべきか
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面談では、あなたのスキル・ご志向やご経歴をヒアリングし、キャリアプランの整理をお手伝いします。ぜひ一度ご相談したいという方は、まずは以下のページで詳細をご確認ください。
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まとめ
AIエンジニアへの転職を考えるなら、技術的スキルだけでなく、コミュニケーションや問題解決力、プロジェクト管理などの非技術的スキルも重視されます。市場が拡大する中、継続的なスキルの向上と豊富な経験を積むことで、希望の年収に近づくことができるかもしれません。
ぜひこの記事を参考にしてAIエンジニアとして年収アップを目指しましょう。
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