人工知能(AI)に関する技術は急速に重要性を増しており、その専門家であるAIエンジニアに対する需要も同様に高まっています。データ分析の基盤構築からデータ前処理、AIモデルの開発に至るまで、AIエンジニアが担う役割は多岐にわたります。その結果、企業における求人数や求人倍率の増加が顕著になっています。
本記事では、AIエンジニアの採用市場の動きやその背景、需要が高い理由を解説したうえで、求人数の推移や実際の求人数を紹介・比較していきます。
AIエンジニアとしてのキャリアを目指す方は必見です。
AIエンジニア(機械学習エンジニア)の採用市場の動向
まず、AIエンジニア(機械学習エンジニア)の市場の動向について紹介します。
高まるAI人材の需要
AI分野において、機械学習は中核的な役割を果たしており、技術的な進化は目覚ましいものがあります。特に深層学習の領域において顕著であり、画像認識、自然言語処理、音声認識といった用途(タスク)で利用され、さらにはこれらを統合的に行うAIエージェントの台頭など、新たなビジネス機会を創出しています。そのため、AIエンジニア、とりわけ、機械学習エンジニアはこれらの技術を実装し、継続的な最適化をする役割を果たす重要な存在となり、その需要は年々増加傾向にあります。
総務省の「令和7年度情報通信白書」によると、日本の国内のAIシステムの2024年の売上金額は1兆3000億円程度でしたが、2029年度には4兆1,800億円以上になると予測されています。AIの応用領域は多岐にわたり、幅広い業界でAI技術の導入が進んでいることから、AI関連の市場規模は今後も拡大していく可能性が高いです。

出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」
AIエンジニアの転職求人倍率
AIエンジニアの需要の高まりに連動し、AIエンジニアの転職求人倍率も着実に増加しています。
レバテック株式会社の「正社員転職・フリーランス市場動向」によると、2026年1月のAIエンジニアを含む正社員のITエンジニア全体有効求人倍率は10.4倍となっています。求人数も前年同月比126%と、求人倍率は依然として高い水準で推移しています。
また、機械学習の実装で使われるPythonについても、転職希望者数や案件希望者数は増加傾向にあります。Pythonのスキルを持つAIエンジニア(機械学習エンジニア)は市場で高い価値を持つ存在となっていることが分かります。
機械学習に必須の「Python」が最短で身につく学習手順とコンテンツの紹介
なぜAIエンジニアの需要が高いのか
AIエンジニアの需要が高い理由を2つ紹介します。
DXに取り組む企業の急増
デジタルトランスフォーメーション(DX)に本格的に取り組む企業が増加し、同時にAIエンジニア(機械学習エンジニア)の需要は急増しています。AIはビッグデータを使ってDXを実現するための代表的かつ革新的な手段の1つです。多くの企業がDXを通じて業務プロセスの改善や競争力を高めようとしており、AI技術はその中心的な要素となっています。具体的には、業務プロセスを改善し、新たなビジネスモデルを展開するためにAIが採用されています。
例えば、製造業ではIoTやロボット、フィジカルAI等と組み合わせたスマートファクトリーの実現を目指し、データの収集と分析にAIを活用しています。また、金融業界ではリスク管理や顧客サービスの向上のためにAIを採用し、健康医療分野でも診断支援や新薬開発にAIを利用しています。
DX推進にAIが必要な理由とは?AIを活用したDXの成功事例も合わせて解説
AI技術の普及
AI技術は機械学習、ディープラーニング、自然言語処理など多くの分野で幅広く応用されており、これらの応用領域が拡大するにつれて、専門性の高いスキルを持つ人材が非常に重要となっています。
AIエンジニアはデータの前処理、モデルのトレーニング、評価など専門的な知識とスキルが必要ですが、要求される技術レベルが高いがゆえにこのようなスキルを持つ人材は不足しており、人材獲得競争は激化しています。
逆に考えれば、AIエンジニアを目指す方にとってAI技術の普及と市場の成長は、新たなキャリアチャンスとスキル向上の機会ともなっています。
AIエンジニア(機械学習エンジニア)の需要の広がりにおける日本の動向
AIエンジニア(機械学習エンジニア)などのAI人材不足を解消するために、国や企業、学校などでさまざまな取り組みが実施されています。
国策としてAIリテラシー底上げの動き
2019年に内閣府から「AI戦略2019」が発表され、年間25万人のAI人材育成など、教育改革を通じたAIリテラシーの向上が重要な柱に位置づけられました。続く「AI戦略2022」では、AIの社会実装の推進や技術者の処遇改善についても言及されています。
さらに、生成AIの急速な普及を受けた2024年の「AI事業者ガイドライン」の整備を経て、2025年5月には包括的な新法である「AI法」が成立しました。同年12月に閣議決定された「人工知能基本計画」により、現在は官民を挙げたAIトランスフォーメーション(AIX)が国家戦略として本格化しています。

出典:内閣府「人工知能基本計画(概要)」
このように、国をあげてAIリテラシーを底上げし、社会実装を強力に推進する動きが加速しており、それに伴いAIエンジニアの需要も高まり続けています。
人材育成として企業での研修実施やプログラムを提供
多くの企業は、AIエンジニア(機械学習エンジニア)を育成するための研修プログラムを実施し、社内の従業員がAI技術に関するスキルを磨く機会を提供しています。これにより、企業内でのスキルの向上が促進されています。
一例を挙げると、例えば、デンソーテクノ株式会社では、AI人材の育成に向けた研修プログラムの実施をしました。同社では、AIの活用が進む自動車産業において自社のスキルレベルが追い付いていないという危機感から、E資格の取得などのリスキリングを推進しました。次第に取り組み自体に興味を持つ社員も増加し、研修実施後は、全社員の1/3がAIについてのスキル習得に取り組んでいます。
参考:デンソーテクノ株式会社 当社記事「AIの面白さに気づかせてくれた研修プログラム 全社員のAIリテラシー底上げから、実用化フェーズへ」
2025年から大学入学共通テストに「情報」が追加、高等学校選択授業ではAIが学べる内容に
さらに、学校教育もAIエンジニア育成に向けて取り組みが強化されています。2025年から大学入学共通テストに「情報」が追加され、プログラミング知識や情報リテラシーなどが問われるようになりました。
参考:読売新聞オンライン「共通テスト、25年から7教科21科目に…「情報」追加・地理歴史と公民は再編」
また、2022年度から高校生が授業でAI基礎・機械学習基礎・Pythonの基礎を学ぶことができるようになりました。デジタルネイティブといわれる若者が高校時代にこのような基礎知識を学び、大学でさらに応用知識を学んで社会人になる世界すでに到来しています。これらの内容は社会人も知らないといけない一般常識となりつつあり、中高年に向けた学び直し「リスキリング」研修も盛んに行われています。

出典:株式会社Rejoui「高等学校講師向け学習補助教材 情報Ⅱ」
このような理由から、AIエンジニア(機械学習エンジニア)の需要は高まっており、日本全体でさまざまな動きがあることが分かります。
AIエンジニア(機械学習エンジニア)の求人数が多い媒体
ここでは、各求人掲載サイトのAIエンジニア(機械学習エンジニア)の求人数を比較していきます。
| 求人サイト | 求人数(2026年6月時点) |
|---|---|
| Indeed | AIエンジニア:6,000件以上 機械学習エンジニア:2,000件以上 |
| 求人ボックス | AIエンジニア:36,687件 機械学習エンジニア:2,838件 |
| doda | AIエンジニア:652件 機械学習エンジニア:125件 |
| リクナビNEXT | AIエンジニア:928件 機械学習エンジニア:200件 |
| マイナビ転職 | AIエンジニア:55件 機械学習エンジニア:5件 |
| Green | AI・機械学習エンジニア:512件 |
| スタンバイ | AIエンジニア:100,732件 機械学習エンジニア:3,422件 |
| ビズリーチ | AIエンジニア:601件 機械学習エンジニア:184件 |
※キーワードに「AIエンジニア」「機械学習エンジニア」と入れて検索してヒットした求人数の総数です
※勤務地やその他条件は適用外です
※記載のないものは公開求人のみで、非公開求人などは含みません
求人サイトには大きく分けて、Web上の求人情報を自動収集(クローリング)して掲載するサイトと、企業が直接登録した求人を掲載するサイト(従来型の求人サイト)の2種類があります。
Indeedや求人ボックス、スタンバイなどは求人情報をクローリングしているため、掲載求人が圧倒的に多いです。「AIエンジニア」と「機械学習エンジニア」の検索結果で、検索結果に大きな差がついている求人サイトもありました。
dodaやリクナビNEXT、マイナビ転職、ビズリーチなどの登録型では、非公開求人なども少なくないため、気になる方はまずは登録して検討してみるのも良いでしょう。
データサイエンティストやデータエンジニアに関しても、各求人掲載サイトの求人数を比較していますので、気になる方はぜひご確認ください。
AIエンジニア(機械学習エンジニア)への転職を成功させるには、転職エージェントの活用がおすすめ
さまざまな求人の選択肢がある中で、どれを選べばいいのか、自分の強みをどう活かしてどうアピールすればいいのか分からない方も多いかもしれません。まずは採用市場の実態を知り、自身のキャリアやスキルを活かして効率的に転職活動したいという方は転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントは企業や求人情報に詳しいだけでなく、企業へのアピール方法などさまざまなノウハウを持っており、転職希望者のキャリアの志向性やこれまでの経験に合わせてアドバイスしたりすることができます
スキルアップAIgentでは、データエンジニアや機械学習エンジニアなどの職種をはじめとした、AI開発・データ分析求人に基づいた転職サポートをしています。例えば、以下のようにキャリアの志向性やこれまでの経験に合わせてお話したりアドバイスしたりすることができます。
- いつ頃転職するのがベストか
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