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【2024年】AIエンジニアの求人数が多い媒体を調査 | 近年の採用市場や需要の高さとは?
人工知能(AI)に関する技術は急速に重要性を増しており、その専門家であるAIエンジニアに対する需要も同様に高まっています。データ分析の基盤構築からデータ前処理、AIモデルの開発に至るまで、AIエンジニアが担う役割は多岐にわたります。その結果、企業における求人数や求人倍率の増加が顕著になっています。
本記事では、AIエンジニアの採用市場の動きやその背景、需要が高い理由を解説したうえで、求人数の推移や実際の求人数を紹介・比較していきます。
AIエンジニアとしてのキャリアを目指す方は必見です。
AIエンジニア(機械学習エンジニア)の採用市場の動向
まず、AIエンジニア(機械学習エンジニア)の市場の動向について紹介します。
高まるAI人材の需要
AI分野において、機械学習は中核的な役割を果たしており、技術的な進化は目覚ましいものがあります。特に深層学習の領域において顕著であり、画像認識、自然言語処理、音声認識といった用途(タスク)で利用され、新たなビジネス機会を創出しています。そのため、AIエンジニア、とりわけ、機械学習エンジニアはこれらの技術を実装し、継続的な最適化をする役割を果たす重要な存在となり、その需要は年々増加傾向にあります。
総務省の「日本のAI市場調査」によると、2019年の売上金額は400億円程度でしたが、2025年度には1,200億円以上になると予測されています。AIの応用領域は多岐にわたり、幅広い業界でAI技術の導入が進んでいることから、AI関連の市場規模は今後も拡大していく可能性が高いです。
出典:総務省「令和4年版 情報通信白書|市場概況」
AIエンジニアの転職求人倍率
AIエンジニアの需要の高まりに連動し、AIエンジニアの転職求人倍率も着実に増加しています。
レバテック株式会社の「正社員転職・フリーランス市場動向」によると、2023年6月のAIエンジニアを含む正社員のITエンジニア全体有効求人倍率は12.9倍となっています。求人数も前年同月比138%と、求人倍率は依然として高い水準で推移しています。
また、機械学習の実装で使われるPythonについても、転職希望者数や案件希望者数は増加傾向にあります。Pythonのスキルを持つAIエンジニア(機械学習エンジニア)は市場で高い価値を持つ存在となっていることが分かります。
機械学習に必須の「Python」が最短で身につく学習手順とコンテンツの紹介
なぜAIエンジニアの需要が高いのか
AIエンジニアの需要が高い理由を2つ紹介します。
DXに取り組む企業の急増
デジタルトランスフォーメーション(DX)に本格的に取り組む企業が増加し、同時にAIエンジニア(機械学習エンジニア)の需要は急増しています。AIはビッグデータを使ってDXを実現するための代表的かつ革新的な手段の1つです。多くの企業がDXを通じて業務プロセスの改善や競争力を高めようとしており、AI技術はその中心的な要素となっています。具体的には、業務プロセスを改善し、新たなビジネスモデルを展開するためにAIが採用されています。
例えば、製造業ではIoTと組み合わせたスマートファクトリーの実現を目指し、データの収集と分析にAIを活用しています。また、金融業界ではリスク管理や顧客サービスの向上のためにAIを採用し、健康医療分野でも診断支援や新薬開発にAIを利用しています。
DX推進にAIが必要な理由とは?AIを活用したDXの成功事例も合わせて解説
AI技術の普及
AI技術は機械学習、ディープラーニング、自然言語処理など多くの分野で幅広く応用されており、これらの応用領域が拡大するにつれて、専門性の高いスキルを持つ人材が非常に重要となっています。
AIエンジニアはデータの前処理、モデルのトレーニング、評価など専門的な知識とスキルが必要ですが、要求される技術レベルが高いがゆえにこのようなスキルを持つ人材は不足しており、人材獲得競争は激化しています。
逆に考えれば、AIエンジニアを目指す方にとってAI技術の普及と市場の成長は、新たなキャリアチャンスとスキル向上の機会ともなっています。
AIエンジニア(機械学習エンジニア)の需要の広がりにおける日本の動向
AIエンジニア(機械学習エンジニア)などのAI人材不足を解消するために、国や企業、学校などでさまざまな取り組みが実施されています。
国策としてAIリテラシー底上げの動き
2019年に内閣府から「AI戦略2019」が発表され、教育改革と研究開発体制の再構築をメインテーマに設定されました。AI戦略は、日本のAI分野における競争力強化と人材育成のための包括的な計画であり、その中でAIリテラシーの向上が重要な柱と位置づけられています。
その後2021年に「AI戦略2021」が発表され、2022年に新たに発表された「AI戦略2022」では、引き続きAIの社会実装に向けた推進をするとともに、公共部門や政府機関におけるAI利活用、技術的にも密接な関係をもつとされる量子、バイオ、材料科学などに代表される政府の他の戦略的な取組とのシナジーも追求すべきであると言及されています。
出典:内閣府「AI戦略2022の概要」
このように、国をあげてAIリテラシーを底上げする動きがみられています。
人材育成として企業での研修実施やプログラムを提供
多くの企業は、AIエンジニア(機械学習エンジニア)を育成するための研修プログラムを実施し、社内の従業員がAI技術に関するスキルを磨く機会を提供しています。これにより、企業内でのスキルの向上が促進されています。
例えば、デンソーテクノ株式会社では、AI人材の育成に向けた研修プログラムの実施をしました。同社では、AIの活用が進む自動車産業において自社のスキルレベルが追い付いていないという危機感から、E資格の取得などのリスキリングを推進しました。次第に取り組み自体に興味を持つ社員も増加し、研修実施後は、全社員の1/3がAIについてのスキル習得に取り組んでいます。
参考:デンソーテクノ株式会社 当社記事「AIの面白さに気づかせてくれた研修プログラム 全社員のAIリテラシー底上げから、実用化フェーズへ」
2025年から大学入学共通テストに「情報」が追加、高等学校選択授業ではAIが学べる内容に
さらに、学校教育もAIエンジニア育成に向けて取り組みが強化されています。2025年から大学入学共通テストに「情報」が追加され、プログラミング知識や情報リテラシーなどが問われるようになります。
参考:読売新聞オンライン「共通テスト、25年から7教科21科目に…「情報」追加・地理歴史と公民は再編」
また、2022年度から高校生が授業でAI基礎・機械学習基礎・Pythonの基礎を学ぶことができるようになりました。デジタルネイティブといわれる若者が高校時代にこのような基礎知識を学び、大学でさらに応用知識を学んで社会人になる世界があと数年でくるのです。これらの内容は社会人も知らないといけない一般常識となりつつあるともいえます。
出典:株式会社Rejoui「高等学校講師向け学習補助教材 情報Ⅱ」
このような理由から、AIエンジニア(機械学習エンジニア)の需要は高まっており、日本全体でさまざまな動きがあることが分かります。
AIエンジニア(機械学習エンジニア)の求人数が多い媒体
ここでは、各求人掲載サイトのAIエンジニア(機械学習エンジニア)の求人数を比較していきます。
求人サイト | 求人数(2024年1月時点) |
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Indeed | AIエンジニア:215,589件 機械学習エンジニア:53,741件 |
求人ボックス | AIエンジニア:68,675件 機械学習エンジニア:21,319件 |
doda | AIエンジニア:1,911件 機械学習エンジニア:1727件 |
リクナビNEXT | AIエンジニア:98件 機械学習エンジニア:68件 |
マイナビAGENT | ・AIエンジニア 公開求人数 5件 非公開求人 16件 ・機械学習エンジニア 公開求人数 50件 非公開求人 6件 |
Green | AIエンジニア:220件 機械学習エンジニア:114件 |
レバテックキャリア | AI・機械学習エンジニア:77件 |
スタンバイ | AIエンジニア:9,012件 機械学習エンジニア:1,695件 |
ビズリーチ | 機械学習エンジニア:297件 |
※キーワードに「AIエンジニア」「機械学習エンジニア」と入れて検索した数の総数です
※勤務地やその他条件は適用外です
※記載のないものは公開求人のみで、非公開求人などは含みません
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AIエンジニア(機械学習エンジニア)への転職を成功させるには、転職エージェントの活用がおすすめ
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