こんにちは。スキルアップAIgentのキャリアアドバイザー・金沢です。
スキルアップAIgent Media『クラキャリAI』では、データ人材が「本当に活躍できる」企業のリアルをお届けしています。今回は「データの商社」として急成長する株式会社ナウキャストの大野巧作 / Kevin様にご登場いただきました。
本記事はインタビューの【後編】です。【前編】では、Kevin様のユニークなキャリアパスやナウキャスト様の裁量ある組織文化について伺いました。
【後編】では、ナウキャスト様が40種類以上・130TB(2026年3月時点)を超えるデータをどのように扱っているのか、Snowflakeとdbtを駆使した「モダンなデータ基盤」の実際、そして具体的なプロジェクト事例について、さらに詳しく伺っていきます。
【前編】はこちら
この記事で分かる「ナウキャストで働く魅力」
- モダンな技術環境:
Snowflakeとdbtをなぜ選んだのか? サイロ化(*6)を解消し、130TB超のデータを民主化するモダンなデータ基盤の実際が分かります。 - 事業の独自性:
「データの商社」として、多様なデータを組み合わせ、不動産営業の効率化など新たな価値を生み出す面白さが分かります。 - 将来の役割:
生成AIがデータエンジニアの役割をどう変えるか、そしてナウキャストが求める人物像が分かります。
GUEST PROFILE
大野巧作 / Kevin(株式会社ナウキャスト)
東京大学大学院理学系研究科を修了後、2020年4月に株式会社ナウキャスト入社。POSデータのパイプライン構築や分析に携わり、2024年からはデータ分析基盤開発チームのリーダーとしてAWSやSnowflakeを活用したクラウド環境の整備や技術検証を主導。2025年10月、株式会社FinatextホールディングスのVP of Data & AI に就任。Kaggle Competition Masterで、複数の機械学習コンペで入賞実績あり。
株式会社ナウキャスト
東京大学経済学研究科渡辺努研究室における「東大日次物価指数(現:日経CPINow)」プロジェクトを前身として2015年に設立された、オルタナティブデータのリーディングカンパニー。AI時代の金融インフラを提供するFinatextグループにおいて、データAI事業を担う。POSデータやクレジットカードの決済データ、求人広告データなどの「オルタナティブデータ」を多数扱い、生成AI活用とデータ基盤構築の両輪で事業者の業務支援に取り組む。また、独自の経済指数を開発し、経済統計のリアルタイム化、企業の経営戦略の見える化を行い、国内外250社以上の金融機関、シンクタンク、政府、政府系金融機関、海外ヘッジファンド等の資産運用、経済調査業務を支援。
聞き手
スキルアップAIgent キャリアアドバイザー 金沢
新卒でIT/Web業界専門の人材紹介企業に入社し、リクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーの経験を積む。その後、2022年にスキルアップNeXtへ転職。AI/データ/デジタル人材専門の採用支援サービスを立ち上げ、チームリーダーとして活躍中。人材紹介業務に加え、メンバーのトレーニングや採用イベントへの登壇、事業計画策定など幅広い業務を担っている。
モダンなデータ基盤を支えるSnowflakeとdbt
金沢 ナウキャスト様では大規模なデータを取り扱われていますが、技術スタックについて教えていただけますでしょうか?
Kevin データ基盤のメインエンジンはSnowflakeを利用しています。その周辺では、AWSや、dbtと呼ばれるELT(*4)パイプラインのトランスフォーメーション(*5)を行うツールも活用しています。
また、Terraformも使用しています。SnowflakeやAWSのインフラをコードとして管理することも非常に重要なので、そのためのツールとして活用しています。
金沢 Snowflakeやdbtを導入する際、どのような課題があったのでしょうか?
Kevin Snowflakeを導入する3〜4年前は、AWSを中心としたシステムを利用していましたが、その中でいわゆる「サイロ化(*6)」が起きていました。
弊社ではクレジットカードデータも複数のホルダー様から連携されていますが、データを利用する立場からすると「組み合わせて使えば、より良いインサイトが得られるのでは」という議論は以前からありました。しかし、事情によりデータはバラバラに管理されており、データやプロダクトごとに縦割りの組織になっていました。
金沢 Snowflakeを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
Kevin もともとAWSを使っていたので、Redshift等のデータウェアハウス製品とも比較はしました。
その中でSnowflakeは、「ストレージとコンピューターの分離」というアーキテクチャが特徴です。データの保存と、加工・計算する時の計算資源が完全に分離された設計になっているので、非常に扱いやすく安定感も高いと感じました。
また、弊社は「データ自体がプロダクト」です。データをお客様に提供する際に、Snowflakeの「データシェアリング」や「マーケットプレイス」などの機能が使えることも、データプロバイダーとして非常に重要なポイントになりました。
【キーポイント #3】技術の視点 なぜSnowflakeとdbtなのか?
ナウキャスト様がSnowflakeを選定した理由は、技術的な優位性(ストレージとコンピューターの分離)に加え、「データを商材として提供する」というビジネスモデルに「データシェアリング機能」が不可欠だったためです。
また、dbtを組み合わせることで、データ変換処理をSQLで管理可能にし、データ基盤の民主化とガバナンス(*7)強化を両立しています。
40種類以上のホルダーから預かる130TBを超えるデータを、7割以上のアクティブユーザーが日々活用できる環境は、このモダンデータスタックによって支えられています。
データで不動産営業を効率化? 印象的なプロジェクト事例
金沢 これまでの中で印象的だったプロジェクトがあれば伺いたいです。
Kevin 直近では、不動産業界のお客様向けにデータプロダクトを提供するプロジェクトがありました。
例えば、オフィスビルのデベロッパーはビルを建てた際、空室にどの会社を誘致するかを考える必要がありますが、世に中には企業が数多く存在するため、どこに営業するべきか判断が難しいのです。
そこで、弊社のデータを組み合わせることで、より効率的な営業ができるのではないか、というアイデアが生まれました。具体的には、求人情報のデータを活用します。求人数が伸びている会社は、今後従業員数が増える可能性が高いと考えられます。
金沢 確かに。オフィス移転のニーズがありそうですね。
Kevin はい。さらに企業の従業員数を時系列で確認できるデータもあります。それらをも組み合わせることで「従業員数も求人数も伸びている。だからこの企業は優先的にアプローチすべき」と、非常に定量的に判断できるようになります。
もともとは金融のお客様が多かったのですが、複数のデータを組み合わせてインサイトを生み出すことで、さまざまな業界のお客様に活用いただけるようになってきました。これは、Snowflakeとdbtでデータ基盤を整備したことで、データ活用が進んだ良い事例であり、印象に残っていますね。
生成AIはデータエンジニアの役割をどう変えるか
金沢 生成AIの活用は進められていますか?
Kevin はい、もちろん進めています。GitHub Copilotなどを使って、データパイプラインや分析コードの作成を補助してもらったり、ドキュメント作成をサポートしてもらったりしています。
金沢 生成AIが広がる中で、データエンジニアの役割はどう変わっていくと思いますか?
Kevin 基本的に「データを整備するシステムを作る」という役割自体は変わらないと思います。ただ、一方で、「生成AIがそのデータを使いやすい環境をどう作るか」という視点が重要になってきています。
今までは「人」が使いやすいデータ基盤という観点が中心でしたが、AIが使いやすい形にするには、また別の設計思想が必要になります。生成AIのために基盤やガードレール、ガバナンスを整備することが、今後ますます重要になってくると思います。
ナウキャストが求める人物像
金沢 今後、ナウキャスト様は採用にも力を入れていらっしゃると伺いました。現在はどのようなポジションを募集されているのでしょうか?
Kevin 基本的には全方位で採用を強化しています。エンジニア職では、データエンジニア、アナリティクスエンジニア、データアナリストなど幅広い職種を募集していますし、ビジネスサイドのポジションも同様です。
金沢 どのような方と一緒に働きたいとお考えですか?
Kevin 開発側で言えば、やはり「データが好きな人」です。社内にもそういうメンバーが多く、データを見ながら「どう使えるだろうか」「どんな仕組みがいいだろう」と議論するのはとても楽しいです。
データを中心に、さまざまなことにチャレンジしたい、自分ごととして取り組める方。そういった方と是非一緒に働きたいと思っていますし、そういう方にとって楽しめる環境だと自信を持って言えます。
金沢 最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。
Kevin ナウキャストはデータを中心に、それをどう価値につなげるか、建設的に議論できる素晴らしい仲間がたくさんいます。
技術的にもビジネス的にも面白い領域が多くあります。少しでも迷っている方は、まずはカジュアル面談などでお話しすることも可能です。是非一緒に開拓していければ嬉しいです。
金沢 本日は、データサイエンティストからデータエンジニアというキャリアのお話から、最先端の技術現場のお話に至るまで、幅広く伺うことができました。Kevin様、ありがとうございました!
Kevin ありがとうございました。
インタビューを終えて
Kevin様のお話から、ナウキャスト様が「データが好きな人」にとって、いかに魅力的で挑戦しがいのある環境であるかが伝わってきました。スキルアップAIgentは、ナウキャスト様のような「モダンなデータ基盤」と「データを中心としたカルチャー」を持つ優良企業との強いリレーションを持っています。
- ナウキャスト様への応募を検討したい方
- Kevin様のようなキャリアチェンジを実現したい方
- 自分のスキルがSnowflake/dbt環境でどう活かせるか知りたい方
まずはスキルアップAIgentのキャリア相談で、あなたの可能性についてお話ししませんか?
株式会社ナウキャスト様の採用ページ
用語解説
- *4 ELT:「Extract(抽出)、Load(格納)、Transform(変換)」の略。データをまずデータウェアハウスに格納し、その中で変換処理を行う手法。
- *5 トランスフォーメーション: 生のデータを分析しやすい形式や、ビジネス上意味のある形に「変換」する処理。
- *6 サイロ化: 組織やシステムが縦割りになり、データや情報が連携・共有されず孤立してしまう状態。
- *7 ガバナンス: データ管理における「統治」のこと。データの品質、セキュリティ、コンプライアンス(法令遵守)などを適切に管理・統制するルールや体制。
